リフティングというのは、サッカーの技量を手っ取り早く見せつけるのに都合がいい。ぼくはリフティングが下手だった。
リフティングだけうまくて、サッカーは下手くそな人もいる。そんな人を見るたびに、劣等感がいよいよ複雑で根深くなったように感じていた。
同じようなことを書いたエッセーが、「週間サッカーマガジン」2004.2.10に載っていた。以前だったら、どんなふうに読んだだろう。そう簡単に溜飲を下げることはなかったと思う。それがコンプレックスというもののややこしいところだから。
小林くんの教え方が上手で、このあいだ初めて50回できた。練習を続ければもっとうまくなる自信がある。つま先を使って、膝よりも低い位置まで蹴り上げて、ちょこちょこと小刻みにやると、とてもうまく見えるらしい。リカバリーもうまくなった。
一方で、サッカーが下手くそになったと感じている。これからのやる気にも関わることなので無視できない。足がすぐに痛くなる。無様な転び方をする。素人相手にもフェイントが決まらない。などなど。
あちらを立てればこちらが立たない式の、きれいなまとめ方をするつもりはない。慎重に、正直に考えてみると、サッカーとリフティングとを天秤にかけることはできない。
サッカーについて思うことが、大きく変わった。それだけのことだ。そして、これはこれで、貴重な体験だと思っている。これからも楽しもうと思っている。頭と身体とが離れすぎないように、意識的に変えていくことも、なにかあるだろうと思っている。


木曜日は朝から練習。金曜日の夜は久しぶりの対外試合。楽しもう。