ドトールで本を読んでいた。
隣のテーブルには女の子ばかり四人いて、次の約束まで時間をつぶしているみたいだった。テンションは低め。仲良し度合いも、なんだか微妙。
本を読み終えて帰る支度をしていたら、女友達を顔で選ぶかという話題で盛り上がった。
はじめの三人が無難なことを言うので、振られた話題がまたひとつ消えていく雰囲気になった。さいごの一人が「あたし顔で選ぶ」と告白して、ぱっと火がついたみたいに盛り上がった。
顔で選ぶと言ったのは、話題をふった本人だった。あっぱれと褒めてやりたい気分だった。
「そんなのヤダ」とか、じゃあさ、あたし選ばれたの?だとか、あーでもない、こーでもないと言い合ったあとに、「じゃあさ新井さんみたいなの・・・」とまたその子が言うのが帰る背中に聞こえた。リアルで良かった。


あとでドトールの前に止めていた自転車を取りに来たら、四人が下りてくるのが見えた。さむー、とか、何時間いたっけ、とか言い合ってた。たしかにあの四人だったけど、どの子があの子かわからなかった。