彼女のお父さんはアンデルセンに似てる。
日本人離れしているし、アンデルセンが言われていたように、オランウータンにも似ているかも知れない。
彼女の母方のおじいさんは手塚治虫に似てる。一枚の写真でしか知らない。
ふたりとも専門的な、知的な仕事をしている。おじいさんは故人なので、「していた」。
ぼくは芥川龍之介に似てると言われたときがいちばんうれしかった。
彼女は新沼謙治に似てると言った。


子供向けにかかれたアンデルセンの伝記と、荒俣宏の訳で最近になって編まれた童話集を読んだ。
「絵のない絵本」をいま読んでる。アンデルセンを楽しめるには、ぼくには少し遠回りが必要だったみたい。
花田清輝「復興期の精神」にアンデルセンについて書かれた章があって、それがずいぶん役に立った。


ネットを通して自分のパソコン上で知ることは、まがい物のような気がしていたんだけど、
情報を得るための手段として比重が高まってくると、そういう気持ちは薄れてくる。
手段としてお手軽に過ぎることは、気を付けなきゃいけないと思ってる。


同世代が金と発言力をもつようになって、同時に支配的な情報も、伝え方も、耳に優しくなってきた。
良くわかることしか耳に届いてこない。それがむかつく。
古いアニメや歌謡曲がすごかったことも、古民家再生も、農業が尊いという考え方も、むかつく。
社会参画も、ボランティアも、インフォームドコンセントもむかつく。
孤独で、さみしい世界に栄養を送り続ける細い管に見える。そんな物なくたって生きていける。
そういう気持ちのまま、世界に向かって「こんにちは」と言いたい。もっか奮闘中。


ジネディーヌ・ジダン和田一浩(西武)はハゲなのにすごいスポーツ選手の代表的な二人なのね。
1972年に四日違いで産まれている。ぼくはその四日のあいだに産まれてるんだけど、
オセロ式にハゲるひとは世界に何人くらいいるのか概算してみたんだけど、
100万人という結果になって、どうともイメージできなかったので残念だった。
ご近所レベルの人数だったらよかった。


松谷みよ子「屋根裏部屋の秘密」おじいさんとおばあさんの姉弟で「信濃の国」歌うところがよかった。松谷みよ子は「いい子」が日本にも実在することを信じ切ってる。そこがいい。
ドストエフスキー罪と罰」兄と妹の対決シーンが良かった。
橋本治「'90」洗濯が精神衛生に良いのは、ぼくもそう思う。高層ビルにはためけ白いTシャツ。