新「親孝行」術
ISBN:4796629165
とっても良かった。ハウツー本として読むと、章が進むほどに「ダメだよ、ついていけないよ」って感じだったけど、その感情が切実だっただけに、プレイとしての読書が際だって、良かった。
心に根ざさない実践としての親孝行に、あとから心がついてくるという考え方は、ぼくのなかでは井上ひさしがたびたび描いた、演劇を通して役者に返ってくるある心の動き、とつながる。(もともとはシェイクスピアのアイデアだろうけど、ぼくは良く知らない。)
心がついてくると言ったその証拠に、母親のルーツを探す旅に同行して、探し当てて泣くほど心を動かされたことが、あとがきになって初めて語られる。ロードムービーのエンディングの王道を行くような、そんな印象的なシーン。